窓辺の日常
クルクルと触ってあなたが好きって言ったから
クリスタルがはにかんでいます
窓を開けて
窓辺に座って
モクレンやみどりのサクラの会話に耳をすます
『ネコだってそうさ』
『あなたのことじゃないのよ』
ブランコの揺れるオトが一定のリズムを刻んで、心地よく、それは永遠に続くかのようにもう私の中に刻まれてしまった。
『そんなことどうでもいいよ。それよりもあの子が部屋の中で悲しそうなんだ。窓ガラスがないているんだ。
まるでワタリドリがはぐれたみたいに。心細くて。こわいんだって。』
『そこにはなにがあるの』
ガーベラとバラの花束をもった小さなおとながささやくようにして。
『なんにもできないよ。』
『そこには何も無いからね。』
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